お雛さん

毎年、この時期になると、お雛さんを出します。
一年に一度はおひなさんに日の目を見せてあげないといけないと言われていますから、昨日、がんばって一人で飾りつけました。


なんども書きましたが、うちのお雛さんは、ケースの中に15人が納まっているコンパクトなお雛さんです。
アメリカ滞在中を除く、50年近くの間、欠かさず飾ってこられたのも、このコンパクトサイズのおかげかな。
なんといっも、七段飾りみたいな立派なお雛さんは、一人では出せないですよね。
とはいえ、コンパクトな飾りでも、一人一人包みから出して並べ、小物を持たせて、調度品を並べて・・・・と、作業は一時間以上も掛かりました。


で、お雛さんを改めてしげしげと見つめて思いました。
このお雛さんは、体にプラスティック部分が一切なくて、時を経てもまったく劣化がない。これは、かなりすごいことなんじゃないかと思いました。しかも、着物は木目込みなので、生地のほつれや形の乱れもなし。
ケースに入っていたことも幸いして、50歳近いお雛さんたちにしては、みんなきれいなままです。唯一、古さを感じさせるのは、ボンボリとか屏風とかの紙が使ってあるパーツです。ちょっとシミが浮いているので。


で、うちの息子Bは、このお雛さんを、ちょっと怖がっています。
「毎朝、お人形の位置が、少しずれているように見える」
というのが、息子Bの言い分です。
実は、私も昔、そんなふうに思っておりました。
何か語りだしそうな口元や、表情のある指先。今にも動き出しそうな五人囃子のメンバーたち。
幼い頃、お雛さんの前に陣取って、「達磨さんがころんだ」をやっているつもりで、彼らが油断して動き出さないかを見張ったものです。
朝見ると、三人官女の一人が持つひしゃくが、ポロリと落ちていたりすると、息子Bは、
「あっ、夕べは動いたんだ」
といって、更に怖がったりしました。(さすがに高校一年生となって今では、そんなことは口には出しません。内心は、そう思っているかも・・・・・)


とりあえず、今年もお雛さんに日の目をみせてあげられて、よかったです。