中原淳一さん

昨日の歴史秘話ヒストリアに、ファッションデザイナーの中原淳一さんのことを取り上げていました。
私は、ひょっとしとたら、リアルタイムで中原さんのデザイン画や挿絵を見た最後の世代かもしれないなあ、と思いました。
母が私たち子どもの洋服を手作りしていましたから、洋裁のファツション誌が家に何冊かはありました。
その中に、あの絵が入っていたような気がします。


当時は、まだ町には「洋裁」のお店がありました。
それこそ、NHK朝の連続ドラマ『カーネーション』にでてくる小原洋裁店みたいなお店です。
ちょうど小学校の通学路の途中にそのお店はありました。
ショーウインドーには、大人と子どものマネキンが立っていて、季節ごとに「最新ルック」を身にまとったマネキンが私たちを見下ろしていました。
オートクチュールってやつですよね。
わりとかっちりした感じのワンピースとボレロみたいなスタイルで、とも布で作った服とお揃いの帽子なんか被っていて、「ばっちり決めてます」感満々のお出かけスタイル。
あれは、中原さんのスタイル画そのものじゃあないの?


私が小学校の三年生か四年生のころ、第一次オイルショックがあって、その後しばらくして初めて「ユニー」(大手スーパー)が進出してきました。
その頃から、一般市民の洋服は、作るものから買うものになったと思います。もちろんそれ以前も既製服は出ていましたが、安くてかわいいモノが簡単に手に入るようになったのは、私の感覚ではユニー進出以後のことです。
(それ以前は、洋服を買う場所って、デパートではなかったですか?)


気がついたら、通学路にあったあのお店のショーウインドーから私たちを見下ろしていたマネキンがなんとなくくすんで見えてきて、「決めすぎ」感満々のお出かけスタイルは、ちょっと時代に合ってないんじゃないの?みたいな気がしてきました。


しか〜し、今、改めて中原淳一スタイル画を見ると、エレガントさにおいては、今私が持っている「一番の決め服」でも、足元には及ばないくらいのオーラを放っていることを認めざるを得ません。
時代は変わって、スタイルも変わって、素材も、色も、小物や髪型や化粧も日々流行は変りますが、女性の洋服(すべてひっくるめて)は「エレガント」であることが、結局は一番の根底にあるんではないかなぁ、と思ったりしています。


面白かったですよ。興味がありましたら、再放送をご覧下さい。