トラ

昨日のNHK「ダーウィンがきた」では、野生のトラが主人公でした。


堂々たる風采には、さすがアジアの森の覇者という貫禄がありました。
ガァオゥと威嚇されたら、テレビの画面越しでもやっぱりビビリます。
一方で、リラックスしている様子は、うちの実家のネコとまったく変りません。
肩甲骨あたりを地面に押し付けて、仰向きに寝転び、前足をかわいく折り曲げてゴロニヤーンとしている様子は、大きなネコでした。


母トラと、三匹の娘トラ。
母は娘たちのために狩をして、せっせと餌を運びます。
娘たち三匹は、いってみれば森の女王の娘(王女)であり、生態系の頂上に君臨するわけですから、怖いもの無しで、常に無防備でお腹なんか出しちゃってのんびりし放題。唯一の敵は、川辺の王者ワニさんでしたが。


ところが、このトラ一家の平穏を乱すものが、いたんです。
何だと思いますか?
敵は、自分の身内でした。
三姉妹のうちの一匹が妹たちを駆逐し、最後に母トラを縄張りから放逐してしまったのです。
その方法というのは、「闘い」です。
一対一で闘い、負けたトラはその場から姿を消すという自然界の厳しい掟通りに、三匹のトラは一匹ずつ姿を消していました。
厳しい〜!


ナレーションによると、この母トラも10数年前に、同じことをして自分の母トラからこの縄張りを奪ったのだそうですよ・・・・
自然界って、ホント厳しい。


かつて、『たわけ』の語源を教えてもらったことがあります。
諸説あるようですが、そのうちの一つは、こんなものでした。
ある金持ちの一家が、三人の息子にそれぞれ財産分与として田んぼを三等分したそうです。そのまた息子にも等分して・・・・こうして分与したため、すべてが零落してしまった。田を分けること=馬鹿なこと=たわけ、と言うのだそうです。
自然界のトラの厳しい掟を見て、『たわけ』を思い出してしまいました。
ちゃんと本能で判っているんですね。ここで縄張りを分割したら、いずれは自分たちの子孫が滅んでしまうということを。


なかなか面白い内容でした。