大連レポート

道路の横断は、文字通りの命懸けでした。
二年前の夏の上海旅行の時にも実感でしたが、あの国に、交通道徳と言う概念は存在していません。
信号は、ほぼ機能していないです。もちろん、動いてはいます。
でも、片側三車線の道路・・・全部で六車線の道路を横切るための歩行者用信号が青になっている時間は、実質5から6秒です。実質といったのは、青になっても、すぐには渡れないからです。左折してくる車(日本で言うところの右折車です。あちらは車は右側通行です)は、赤信号でも曲がれるので、その車をやり過ごしてからでないと、恐ろしくて青になったからといって、渡ってはいけないのです。
実際、数週間前に、日本から来た出張者が、時速100キロで走ってきた車にはねられて即死したばかりだそうです。日本人は、横断歩道では車が停まってくれるという交通観念を持っていますが、くれぐれもここではそんなルールは存在していないようですので、気をつけて。


では、そんな危険な道路をどうやって横断するのか・・・・
基本的には、横断歩道で横断する必要はありません。だって、全然横断歩道の機能を果たしていないわけですから、そこで渡る意味がないからです。
渡りたいところで、自由に渡る・・・・これが基本のようです。
とはいえ、10数億の人口の国ですから、道路上の車の流れが途切れることはなかなかありません。
だから、一車線分ずつ、じりじりと渡っていくのが中国流。


足元が不自由な人やお年寄りでも、道を横切るのは、私たち日本人より、よっぽどうまい、というか、早い。
日本人は、道を渡るときに、ついつい走ったり、停まったりしてしまいがちですが、それが一番危ないのだそうです。
動き出したままのペースで、見かけ上は緩やかに・・・・ただし、躊躇なく突っ切る。
時速100キロの車が走ってくるのに、それができます?
私たちは、結局、いつも、中国人の塊に紛れてコソコソと道を渡っておりました。


新しく建設された街では、中心街の一番人通りが多いという場所では、さすがに地下の通路が作ってあって、そこを通ることが多いです。
そこもまた、混沌なんだけと、命懸けの横断をすることに比べたら、少しぐらい階段を上り下りすることなんか、全く苦ではありません。


もしも個人中国旅行を考えておられる方は、私のこの体験レポートを、もう一回よ〜く読んでいって下さい。
全然誇張してません。
死にたくなければ、日本と同じ感覚で道を渡らないで下さい。