男と女

ダバダバダ〜ダバダバダ〜の映画音楽って聴いたことあると思いますが、それが映画「男と女」のテーマ曲だと知っている人、特に若い人はなかなかいないのでは?


私が洋画にはまった頃、アメリカ映画よりフランス映画を始めとするヨーロッパ映画のほうがむしろ一般的に見られいたかもしれません。
特に、テレビでは九時から、例えば『水曜ロードショー』という曜日を冠したロードショー枠で週三回くらいのペースで放映してくれていました。
私は、そこで「禁じられた遊び」とか「アラビアのロレンス」とか「ドクトルジバゴ」とか「007」シリーズとか、アラン・ドロン主演の映画などを見たものです。


「男と女」は、どういうわけか、その時代に見そびれてしまった名画の一つでした。
その後、「映画の聖地はハリウッド」の時代がやってきて、映画は、いかに多くの特撮を用いたか、いかに莫大な数のエキトラが動員されたか・いかに巨額の予算で製作されたか・CG
の技法の斬新さ・・・・が映画の一つの価値のように語られるようになりました。視聴者もそれを求めていたのかもしませんが。


で、改めて「男と女」ですが、絶世の美女が主演を務めていたことをのぞけば、恐らくは超低予算だったに違いないと容易に想像がついてしまいましたが、その分、主人公たちの自然さが際立って逆に新鮮な印象すら持ちました。
プロのレーサーと映画製作に関わる女性(女優じゃない)が、出会うんだけど、お互い子持ちで伴侶と死に別れ、という状況から始まります。
イマドキの映画なら、わざわざ死に別れという状況にはしないと思いますが、40数年前だと、不倫はまだ「文化」じゃなかったのかも・・・


見終わって、ほっとする。
余韻が残る、とでも言いましょうか。
40数年前の映画なのに、服装や髪型、町並みや風景が、全然陳腐じゃないってところに、妙に感動してしまいました。
これがアメリカ映画だと、イマドキそんな服着てそんな髪型してそんな大きな車を運転していたら、かなり人目を引くよね〜と突っ込み満載だったでしょう。


白黒とカラーが入り混じった、ちょっと不思議な映画です。