寿命

このあいだ、わが妹からこんな一言がありました。
「ナンチャッテのそのバッグ、もう、みすぼらしいよ〜」


その指摘を受けたのは、お気に入りの小ぶりのトートバッグのことで、表面はハラコで牛の毛皮のプリント模様のバッグのことです。おっと、正確には、ハラコじゃなくて、「ハラコ風」ですが。
このバッグは、ものすごく使い勝手が良くて、長財布・携帯・スケジュール帳・化粧直しグッズ・ハンドクリーム・車の鍵・文庫本・薄手のストールなど・・・が入る容積を持ちながら、そのキャパを感じさせないシルエットがよかった(優美で華奢なゴールドのハンドルも、ポイント高い)。


しかし寄る年波には抗えず、ついに妹の鋭い指摘を受けてしまったというわけです。
いや、本当は私だって気付いてましたよ。
バッグの角はハラコ風の毛並みが擦り切れていました。
フェイクは経年変化が惨めなんですよね。本物は、たとえ経年して古くなっても、惨めさがない。むしろ、ものによっては貫禄や存在感を感じさせることもあります。


いやあ、悲しいことに、この超お気に入りトートバッグは、厳しい時間の査定には耐えられなかったということでしょう。
心変わりしないうちに、処分することにしました。


私、バッグについては、爬虫類やファー使いの素材が大好きなのです。ただし、その手のものは当然お高い。で、つい短命とは知りながらフェイクに手を出しちゃうのです。
いつかは、爬虫類の本物バッグを持つのが夢です。