トラウマ

幼少期の経験って、もんのっすごく後々まで影響するものなんだなぁ・・・と感じることがあります。
トラウマってやつです。
45年以上も前のことで、大変恐縮ですが、今もずっと影響を受けていることがあります。
それが、大相撲中継です。


その頃、ナンチャッテにとって、「おかあさんといっしょ」を見ることは一日の一大イベントでもありました。
家には白黒テレビが一台しかなかった時代です。
放映しているチャンルだってNHK総合と教育番組と、民放が2〜3局だった時代。
そんな時代に、15分かそこらの子供番組だったとしても、毎日流れていたわけですから、NHKも頑張ってくれていたんだなぁ。

ロンパールームおかあさんといっしょは、とにかく楽しみだったことを覚えています。
ところが、一年のうち数十日は、子供の敵、にっくき「大相撲中継」がはいってしまうのです。
太った裸の大人が暑苦しく闘っている。たいてい一緒にテレビを見ていた、テレビ友のナンチャッテの祖父は、なんか力入っていて、ナンチャッテにはまったく理解不能の番組でした。
ナンチャッテは、これが嫌で嫌で嫌で嫌でたまりませんでした。
なにしろ、こいつが始まると、子供番組は二週間見られないからです。頑是ない子供にとって、二週間といったら、ほとんど永遠という言葉に等しいのです。
とにかく嫌いとかいう生易しい感覚じゃなくて、憎んでいたといっても過言ではありませんでした。


だから、あれから四十数年たった今でも、大相撲中継を見ると、あのころの感覚が思い出されてきて、嫌な気持ちになります。


かつて角界で不祥事があったとき、中継されなかったことがありました。ダイジェストでスポーツニュースで流れたけど、あれで何か不都合があったのかな。むしろ、ナンチャッテは効率よく見られてよかったとすら思っています。
汗ふいたり、回しあたりをパンパンたたいたり、睨み合ったり、汗ふいたり、回しをパンパンたたいたり、睨み合ったり、汗ふいたり・・・・も含めて、相撲ファンは全部見たいのでしょうね。


こんなことを書いたら相撲ファンに叱られてしまうかもしれませんが、ナンチャッテは、ほんの四歳かそこらのころから、ずっと、試合前のあの「汗ふいたり、回しあたりをパンパンたたいたり・・・」には、いったい何の意味があるのか不思議で不思議で仕方がなかったのです。


先日、ある試合にかかった時間を計ってみたら、「汗ふいたり・・・」が約八分で、「ハッケヨイ」から勝負がつくまでの時間が約五秒でした。
一試合一分かかるとしても、二十試合をダイジェストで流したら、二十分で済むと思うんだけど・・・。
妹に話したら、
「国技ですから」
と言われました。
まあねえ、国技だからねえ。

誤解しないでいただきたい。大相撲中継の例を挙げたので、なんだか大相撲の悪口言っているようですが、今日のプログの主旨は、幼いころのトラウマは、大人になってからも消えることはない、というお話です。