マニュアル化した会話

現代文の単元で「コミュニケーションは創造的に」という教材を読んでいます。
ファストフードなどの店員の対応について、奇妙に感じたことなどが具体例として挙げられていて、生徒たちにとっても身近な話題でした。
「自分が今、マニュアルにのっとった対応してるなぁ」
とか、
「うあ〜、自分、今、マニュアル対応されてるわ〜」
とか、他にも、第三者のやり取りを見たり聞いたりして、あれはマニュアル対応だなぁ、と思ったことなど、考えてきて、といいました。
今日、簡単なメモを提出してもらうことになっているので、ちょっと楽しみです。


ナンチャッテが、昔っから、「自分は今、マニュアル対応してるな〜」と思い続けていたことで、他の人たちも絶対にマニュアル対応しているな〜と思う会話がこれです。
小学校〜中学に特に多い会話パターン。
「わかりましたか?」


先生が教科書に書いてあるような超当たり前の解説をして、そのあとに必ず生徒に向かっていうセリフです。
「わかりましたか?」
「はーーーーーい」


あの状況で、
「え゛〜、私、わかんなーーーーい」
とか、
「違うと思います」
と言える人、います?
胸に手を当てて思い出してください。
全員「はーーーい」の中で、もしもあなたが理解できなかったとしましょう。その時、「いいえ」と言えますか?少なくとも、小学校〜高校までの、私のクラスメイトには一人もいませんでしたよ。
つまり、「わかりましたか」「はい」は、すんごく無意味な、質問者の自己満足以外の何物でもない、超形式的な、いってみればマニュアルの代表みたいな会話じゃないでしょうか?


日本では、子供(ひょっとしたら大人も含むかも・・・・)が元気よく「はいっ」と返事をすることが『よい子』(よい人)の象徴みたいに思われているふしがあって、返事の声の大きさ、歯切れの良さ、瞬発力などを高く評価していると思うのです。
そういう風に育っているから、小学校に入っても、先生から「わかりましたか」と質問されると、パブロフの犬みたく「はいっ」と返事をしちゃう。
これは、けっこう由々しい事態だと、ナンチャッテは感じています。


私は、子育て中、なるべくそれを避けたかったので、息子ABには、
「わかった?」
と聞かないようにしようとしてきました。
じゃあ、なんと聞くのかというと、
「わかんないよね」
です。

もしもわかっていたら、答えは「はい」じゃなくて「いいえ」になるし、本当にわからない時に、素直に「解らない」と言いやすい環境になります。
そういう風に育ったせいか、
「かあさんの言ってること、全然わかなんいよ」
と、手厳しい指摘を受け続けている日々です。