優れもののツアー旅行

なにしろ、8日間でミラノ、メストレ、フィレンツェナポリカプリ島、ローマを回るのですから、全く自由時間のない、きっつきつの日程で回る、体力勝負の旅行です。
これだけの大移動を、言葉の全く通じない初めての国で、自力でこなせるとはとても思えません。私たち夫婦が知っている単語は、「ボンジョルノ」「グラッツェ」だけなんですから。
こんなとき、添乗員さん付きのツアー旅行は、本当に頼りになります。
移動は貸し切りの観光バスがメインで、フィレンツェからナポリは、ユーロスターで移動します。


ツアー旅行の一番すぐれている点は、行く先々の観光地に、現地のガイドさんがついてくれることと、有名な観光地での目的地への入場が、待ち時間ゼロで入れるというところです。
行く先々で、長蛇の列を横目で見ながら、スイスイと予約団体専門の入場口から入れるというのは、考えている以上に快適です。ディズニーやUSJファストパスを使っているようなものです。
しかも、現地ガイドさんの説明のうまいことと言ったら!
ガイドさんや添乗員さんは、無線のマイクを使って、説明してくれて、私たち旅行客は耳にイヤホンをかけてその説明を聞きます。100メートルくらいの距離ならば離れていても声を拾えますから、じっくり見たいところでは少しくらいツアーの団体から離れてしまっても大丈夫。一昔前は、ツアーガイドの肉声を聞かないといけなくて、ガイドさんが旗を立てて自らの居場所をアピールし、旅行客は文字通りの「塊」となって必死にガイドさんを追いかけて耳をそばだてているという風景をみかけたものです。
今は、どこのツアーの団体でもほとんどがイヤホンを耳にかけてきくというスタイルでした。
そのため、時々無線が混戦して、よそのツアーガイドの説明が聞こえたりしたこともありましたが、そんな時はチャンネルを変えれば問題解決です。


現地ガイドさんとは、バスが停まれる目的地周辺の場所で待ち合わせしていて、途中でバスに乗り込んできたり、途中まで添乗員さんが旅行客を連れて行って、目的地の切符売り場あたりで合流することもありました。
イタリアではガイドさんというのは、国家資格が必要な職業らしくて、例えばイタリア在住の日本人で、日本人観光客相手のガイドをするためには、その資格をとらなければならないそうです。これがなかなか難しい資格らしくて、日本人でガイドの資格を持つ人は少数のようでした。日本人は、資格試験をイタリア語や日本語で受けるのではなくて、第二外国語のフランス語やドイツ語で受けないといけないんだそうです。日本人がガイドの資格を取る権利ができたのも、ついこの間のことなんだとか。これは、イタリア人のガイドの仕事を外国人である日本人に取られないようにするための規制だったそうです。
したがって、現地では日本人が説明してくれるその横に、一言も日本語を話さないイタリア人のガイドの資格を持つ人が影のように付き添う・・・というスタイルもありました。
一方で、ものすごい流暢な日本語を話すイタリア人のガイドさんもいました。