一大トイレ産業

今から二十数年前にオーストリアとスイスを旅行した時に、忘れられない出来事がありました。
公衆トイレ事情です。日本では公衆トイレは庶民の味方ですから、もちろん誰でもいつでも使えると思っていました。
ところが、オーストリーで駅のトイレを使おうと入っていくと、入り口におばあさんが腰かけていて、お金を払えというそぶりを見せるのです。よく見ると大きな水盤の中には小銭がいくつか散らばっていました。「有料トイレ」でした。日本円で50円程度の料金を払うと、先ほどのおばあさんが、10センチくらいのトイレットペーパーを手渡してくれます。
「えっ?この10センチのトイレットペーパーで、なにをしろと?」
これについてはいまだに謎が謎のまま残っています。
ひょっとしたら、日本人はトイレットペーパーを使いすぎているのか?世界基準は、ひょっとしたら10センチなのか?それともオーストリア標準が10センチなのか?
話題が尾籠すぎて、直接確かめることはできていません。どなたかご存知の方はご一報ください。


添乗員さんは、私たちがバスを降りる機会のあるごとに「お手洗いの場所は・・・」と説明してくれます。
カフェやレストランを使うときには、そこを使用させてもらえます。
しかしインターチェンジのトイレや公園のトイレ、駅のトイレなどは有料です。大体50セントから1ユーロというのが相場のようでした。

有名な広場の近くにあるトイレ(wcと表示してあります)は、大勢の観光客が利用するところです。あの込み具合から考えると一日に1000人が利用していたとしても不思議ではありません。仮に70セントで一日1000人×365日とすると、なんと公衆トイレは一年間に36500000円の収入という一大産業だったのです。自動料金の機械を導入すると人件費は大幅に抑えられますし、実際、機械が設置してあるトイレもありました。

どうですか?
各国のトイレ事情ひとつにしても、本当に知らないことが多いでしょ?