趣味は「迷惑かけること」

朝ズバのニュースの中で、東京板橋の犬屋敷の話題がありました。
犬十数匹を世話もしないで敷地内に飼っていて、糞尿の臭いや犬のなき声に、近隣住民が迷惑しているというものでした。そのとき、一人のコメンテイターが
「人に迷惑をかけるのが趣味っていう人はいないでしょうから・・・」
という発言をしておられました。このコメンテイターは、元知事で現職の国会議員です。




それを聞いて、すごくびっくりしました。
なぜなら、人に迷惑をかけることが趣味、という人は、現在の世の中では、そんなに特別な人ではないからです。
私は中学で働き始めて4年しかたちませんが、生徒指導をしているわけでもないのに、毎年一人くらいは、
「人の迷惑になるようなことをするのが好き」という生徒と遭遇しています。



例えば、窓ガラスを割ってしまって、しょんぼりするのが一般的ですが、彼はそうではありませんでした。
例えば、机の落書きをしかられると、彼は消えないペンでもっと落書きします。
例えばきれいに並んでいるノートやプリントの山を崩します。
例えば、教科書はマジックで真っ黒に塗りつぶされて、所々カッターナイフで切り取られています。切り取られているのは、作者の顔だったり、人のイラストの首が切られていたりします。
気味が悪くなります。
こういうのを見ると、軽いいたずらじゃなくて、悪意を感じます。



もちろん、不注意や学力不足や想像力不足や自己中心的な考えから、へんなことをしたり粗相をする生徒もいますが、たいていは結果の大きさに後で気づいて、しょんぼりしています。
これは仕方が無い。



でも、ある生徒は、明らかに悪意や憎悪を目に宿らせて「人の迷惑になるのが楽しい」と言ったのです。


東京板橋の犬屋敷に限らず、日本全国に増殖しつつあるごみ屋敷の住人たち。彼らのインタビューを聞いていると、「人に迷惑をかけるのが趣味」と言い切った、あの生徒と同じ気味悪さを感じます。