絶句 パート②

私が中学のとき、ずっと腑に落ちなかったのが、最後の一句です。先生は
「いつになったら故郷に戻れる日がくるのかなぁ」という訳をしてくれました。



それを聞いて、
「なんちゅう女々しい男だろう。月へ戻りたいとかブラジルへ帰りたいというならいざ知らず、同じ地続きの国なんだからさぁ。ぐずぐずと四の五の嘆いてばかりでなく、とっとと歩いて戻ろうっていう気概がないものかねえ。男なんだろう?」という思いを抱いていました。




本当は、国都長安へは、戻ろうと思えば戻れたはず。
ただし、長安は暴動で今や焦土と化し、昔の面影はなくなっています。
当然自分が仕えていた、雅なあの宮廷と宮廷生活は破壊しつくされている。
ああ、もう二度とあの華やかな宮廷生活は帰ってこないんだ!と、解釈すべきで、実際に自分が長安に戻るとか、異郷にいるとかは問題じゃないと思うのですが・・・・



最後の一句には
「オレの人生、返せ〜」という詩人の心の叫びが感じられると思うんだけど、いかがでしょうかねえ。