時代小説

前にも告白したことがあるかもしれませんが、私は20代のころから、テレビで時代劇を見るのが大好きでした。
大学生のころは必殺仕事人を見ていました。
(そういえば、今思うと、仕事人って、江戸時代のデスノート?)
それでもって、時代小説も大好きなんです。



今、マイブームな小説家は、北原亜以子さんで、作品は「慶次郎縁側日記シリーズ。
何度もNHKの時代劇の原作として使われていますが、劇中の森口慶次郎役にぴったりなのは、高橋英樹だと思います。
慶次郎は目明しを引退してはいるものの、体力気力とも衰えてはおらず、彼をめぐって色恋の話も持ち上がっています。
だから、高橋さんの一つ前のシリーズで慶次郎を演じていた役者さん(名前を失念)だと、ちょっと枯れすぎているような気がします。



さて、小説は、一話完結で、寝る前にベッドの中で読むのによい分量です。
重くなくて、でも軽すぎず、ハッピーエンドじゃないけど絶望的な話でもないのがいいです。ほどよく暖かくて、ちょっと切ない、という塩梅。
私くらいの年になると、終わり方があまりに悲惨な話というのは、重すぎてしばらく引きずってしまうようになってきます。
【参照】・・・・「重すぎて」の代表は、天童荒太の「永遠の仔」みたいな結末のものをいいます。海外ものだったらスティーブン・キング。重くてエグイ!「ミザリー」は未だに思い出すと鳥肌が立ちます・・・・



かいって、必ずハッピーエンドで終わる時代劇の定番、水戸黄門に納まるには、まだ早すぎる。
で、その中間を取って、ちょっぴりの悲哀とちょっぴりの救いがある、北原さんの時代小説が丁度よいバランスなのです。


作者が女性だけあって、藩の存亡がどうとか、幕府隠密がどうのとか、お家騒動がどうの、という話ではなくて、もっと身近な江戸市井のつましい暮らしの中にある物語なのも、好ましいです。
単行本の表紙のうらに、当時の江戸の町の様子や風俗・生活の様子のイラストが載せてあるんだけど、それも、とっても面白いです。