谷川俊太郎 春に

光村書店の中学二年生の国語の教科書は、谷川俊太郎さんの「春に」から始まります。
中学生にピッタリの、本当にいい内容だと思います。


私は、第一回の授業では、生徒に「○○先生のポリシー」というプリントを配って、国語の授業の進め方、持ち物、一年間の予定などを簡単に説明しています。
授業時間の20分をこれに費やし、残りの30分は、授業内容に入ります。



生徒に、 「春」を使った二字熟語を書かせます。
春分・春風・春雨・初春・新春・青春・立春・春巻・迎春・・・・
10くらいは思い浮かべてほしいのですが、ほとんどの生徒は3つか四つしか思いつきません。
絶対に思いつかないのが、売春・買春・春秋の三つです。
春には大きく分けると、
①季節の春
①新春の新しい年
②青春のとしごろ
③春秋の歴史
④男女間の情欲、の五つの意味があるのです。


だから、⑤を知らないと春画」という熟語を見て、「春のうららかな景色を描いた絵」なんて答えてしまう人も出てくるわけです。



誰でも知っている「春」に、こんなにもいろいろな意味があったんだ、ということを知ると、詩人が連想する「春」とは一体どんなものなんだろう、との好奇心が湧いてきます。
実際、詩人の「春に」の詩の中には、「春」という言葉は一言も出ていませんよね。



こうして、生徒の興味を引いたところで、次回の本文に入るのです。