雨の日と青い鳥

この教材は、場面分けのツボさえ押さえれば、自然と作品のテーマが浮かび上がってくる作品です。



場面分けって、どういうところに注目していくといいですか?という問いかけに、たいていの生徒は
①「時間がかわるところ」
②「場所がかわるところ」と答えることができます。まあ、当然か。
もう一つ大切なのが
③「主人公の心情が変わるところ」という分けかたもありますよね。



この作品を前半・後半に分けるとしたら、どの分け方を採用したら、もっとも納得すると思うかという問いかけをします。


例えば①の時間が変わるところでは、朝(喧嘩)、午後学校が終わるころ(帰宅途中〜家につくまで)、夕方6時ころ(獣医さんに連れて行くシーン)、数日後の最低四つに分けることになります。

例えば②の場所説で場面を分けると、帰宅途中から本屋のシーン、家のシーン、獣医さんのシーン、再び家のシーンと、これも最低でも四つの場面分けになります。
前半後半の二つに分けるとなると、スンナリとはいきませんよね。

こんな時、③の心情が大きく変化するところで場面分けをすると、納得のいく場面分けができます。

主人公の中学二年生の妹は、高一の兄の命令口調に一々カチンと来ています。彼女に言わせると兄は「ずるい」「横暴」「乱暴」「面倒くさがり」ということになっています。しかも、兄は自分のついた嘘がばれるとムクれ、新たな口実が思いつくとニンマリ笑ってしまうような超単純な性格。半日前の喧嘩のことは記憶に残っていないような記憶力の持ち主。
これだけ見たら、兄は「人間のくずで、馬鹿?」状態です。
散々兄の性格のマイナス面がつづられているのが前半部分です。



後半は妹の心情にどんな変化が表れるのか、それを追っていくことになります。