作文その②

作文は、 「種」さえ、とてつもなく間違ったものを選ばなければ、誰でもちょっとしたコツで評価Aがとれるような作文が書けるものなのです。


例えば、中学生の三分の一が間違いなく選ぶ題材の一つに部活動があります。
「部活動」の中には、ドラマが一杯つまっているはず。
例えば、生意気で気が利かない一年生との付き合い方とか、実力も無いのにやたらと威張る三年生との距離の持ち方とか、とかくギクシャクしがちな同学年の人間関係とか、がんばっているのにレギュラーらなれないとか、試合になると弱気になってしまう自分とか・・・
そういうドラマがあると思うのですが、生徒の多くは、やっぱり書くことが無いとのたまうのです。

「平凡な生活なので」という生徒に言いたい。
毎日空から爆弾が降ってきたり、自爆テロに怯えたり、飲み水が汚染されていて、20キロ先の井戸まで水を汲みにいくような、そういう極限状態にでも置かれたら、作文の種があるのかい?と。



中学生になって何も考えずに、何も感じずに生きている人たちは、いったい何歳になったら何かを感じたり何かを考えて生きるようになるのかねぇ・・・・・・。
と、いうわけで、「種」に関しては、まったく、その人の感性が反映されるわけで、テクニックや文章力以前の問題となります。


同じ森の風景を見て、
「ふーん」
で終わってしまう人と
「新緑が美しい」
と感じる人と
「なぜ、あの森には広葉樹が少ないのかなぁ」
と思う人と
「あんなに素晴らしい自然の中で生活できたら穏やかに暮らせるだろうなあ。でも、日常生活は不便かも・・・」
と想像する人もいるかもしれません。


感性の部分は、
「こういう風に心に感じなさい」と指導できないところ。その分、真の成長度や思考が垣間見られるところなのです。