特別扱い

一年生の英語の先生から聞いた話です。


今年の一年生は、とにかく自分を特別な存在として扱ってもいたがっている生徒が多いそうです。よっぽど親に構ってもらえなかったんでしょうか?
特別な存在というのは、例えば、英語の授業の間中、机の上に突っ伏して
「あ〜ぁ、英語の勉強なんかしたくないしぃ」といい、先生に注意されると
「あ〜ぁ、どうせ英語なんか使わんしぃ」とゴネルくせに、
「授業後に、特別に教えてほしい」と申し出てくるんだそうです。


私だったら
「授業を聞いていない人に特別に教える場合は、別料金頂きます」と言ってしまいそうです。



この手の生徒がすごく多くて困っていると、話しておりました。

別の英語の先生は、何も板書しないので、仕方なく先生が特別に書いたもの(直筆で)を渡すと、授業終了後に先生のところにやってきて
「こんなもん、捨てちゃおうかな〜。どうしようかな〜ぁ」
と言って、先ほどの直筆のプリントをわざとゴミ箱の上でヒラヒラさせ、最終的には、くしゃくしゃにしてゴミ箱に捨てたそうです。
「あれが万が一、自分の息子だったら、とっくに蹴りが入っていた」
と、かなり憤慨した様子でした。わかるわあ。



要するに、先生に注目してもらいたいんだけど、肝心の学業では注目してもらえない。
もしも、一生懸命にやっても落ちこぼれちゃったら、自分のアイデンティティーまで危うくなってしまう。だから、自分ができないのは、一生懸命やっていないからであって、もしも本気を出したら、すごい力があるんだぜー、というパフォーマンスなんだと思います。



先生の目は節穴じゃないし、生徒たちだって、ちゃんと他の生徒を見ています。
だから、あの子が頑張って、そういうパフォーマンスをしているということも、先生も他の生徒も実はしっかり見ているんだよね。
分かっていないのは、特別扱いされたくてウズウズしている、あの子だけなんだけどねぇ。