一言余分

生徒の作文の中に、一つとっても面白い視点で書かれた作文がありました。


ある時、生徒Bは、年上の人(かりにAさんとします)から
「お前は、人をイライラさせるのが趣味なのか」
と、厳しい一言を言われてしまいます。


ことの発端は、Aさんが主催するある集まりに、出席できるかどうかを聞かれたとき、その生徒Bは欠席だと答えます。すると、Aさんは
「そうか、強制じゃないから仕方ないな」
と言います。
その時、問題の生徒Bが
「オレ、たとえ強制でも出ないし
という発言をして、先ほどの厳しい一言を言われたという話の流れだったのです。



分かりますよねえ。Aさんがカチンと来る気持ち。
たいていはカチンときても、腹に収めてしまうのが普通ですが、Aさんは、たまたま自分がカチンと来たことを正直に表現しただけのこと。



実は、中学生って「人をイライラさせる」この手の発言がものすごく多いのです。
たぶん、小学校でも同じような発言はあるのでしょうが、姿が子供なので、
「まあ、こどもの言うことだし、仕方が無い」
という気持ちが働くのでしょう、よほどでない限りカチンとはきません。
が、中学生だと、外見は大人より大きいくらいで、しかも大人びた口調で、先ほどのようなことをズケズケいいますから、Aさんでなくてもカチンときます。



やって当然のことでも「やってあげる」だし、やらねばならぬことでも「やれない」じゃなくて「やらない」という言い方をします。
先ほどのAさんへの返答にしても
「ゴメン。オレ、たとえ強制だったとしても、その日はどうしても行けないや」
といえば丸く収まるのに、わざわざ
「オレ、たとえ強制だったとしても、行かないし」
と、悪気がないにしても言ってしまうのが中学生という生き物なのです。



私も、もう少し若かったら、Aさんのようにいちいちカチンと来ていたでしょうが、我が家の息子Aを見て、中学生という生き物に慣れたおかげで、切れずにすんでいます。