秘書課に習え

私が、このような非常勤講師稼業につくきっかけを与えてくれた友人は、私よりも一足早く、小学校で非常勤講師を始めていました。
彼女とは、アメリカにいた時に知り合って、帰国後も仲良くさせてもらっています。
日本人離れした(完全にラテン系)の感覚をもつ、ちょっぴり年下の女性です。
さて、そんな彼女が、市の教育委員会から紹介されて、とある小学校へ初めて訪れた時のことです。



職員室の入り口で、誰か気づいてくれないかなーという期待をこめて、中を覗き込むと、職員室にいた数人の先生たちは、なにやら下を向いて作業中でした。
それでも人の気配に気づいた人が顔を上げたので、
「こんにちはぁ。非常勤講師の□▽です。」
と、挨拶しました。
挨拶の声に、残りの職員も一斉に全員顔を上げて入り口をみたものの、一瞥しただけで、再び顔を元に戻して黙黙と仕事を再開したのです。



「おい、それだけか?」
と心の中で思って職員室の中に入ると、用務員さんが、用を聞きにきたそうです。



この状況、わかるわあ。



ちなみに、彼女は一部上場企業で長く、秘書課勤務していた経歴がある人です。
「あの時、私、あそこにいた教員全員に、来客があったときの対応マナーを教えてやろうかと思った。」
と言っておりました。



私の勤め先でも時々感じるのですが、例えば、上下水道の補修や電気周りの工事や宅配便の配達や教材の搬入などで、職員室に顔を出す「部外者」って、けっこういるのですが、そんな時、職員ですばやく席を立って対応する人は、ほとんどいません。
たまたま私は入り口に近い席に座っているので、ついついOL時代の癖で、さっと席を立って、御用聞きに行きます。
ちなみに私は、一部上場企業で、秘書のアシスタントをさせていただいておりました。



父兄には敏感な対応をしますが、 「部外者」には、けっこう強気で横柄な態度をとるんだなー、とオバサン講師はしっかり観察し、そしてオバサン講師の茶話会で報告しあうのでした。