随筆

二学期は、原稿用紙五枚の作文よりは数段に軽い「随筆」に挑戦させました。
読んで添削する手間も数段に軽くなりました。
なぜ随筆かといいますと、二学期の前半に、「徒然草」を扱ったからです。
兼好法師が「つれづれなるままに書いた」ような肩の力を抜いた随筆を書くというプロジェクトです。
条件は二つで、原稿用紙一枚に収まること。段落は二つで、前段落には見たり聞いたりしたことを書き、後段落にはそれに対するコメントを書くというものです。



国語の力のない生徒は、スポーツ新聞の記事を丸写ししてくるのですが、私は、それもOKだとしました。
ただし、丸写ししたなら、はじめに一言
「最近、新聞紙面のトップを飾っている亀田大毅の反則試合について、一言述べたい。」とか、「中日スポーツによると・・・・と報じられている。」などと、書いておくべきだよ、とは言っておきました。
元祖徒然草にしても、兼好法師が世の中の噂話や失敗話をきいて書きとめたものもいくつかあるわけですから。
ただし、最後につけるコメントは、読む者をにやっとさせたり、へぇと唸らせたりさせるように知恵を絞ってくださいと、指示しました。



「この随筆は、二年生全体でまとめて文集にし二年生全員に配布します。
私の経験上、この手の文集が手元に来たら、まずは自分の好きな人の文章を読んでみるわねぇ。すごく面白かったら、ますます好きになるし、しょっぼ〜だったら嫌いになっちゃうかも。しかも直筆だから、字が汚いと、それだけで評価が下がりそう。逆に、すごく真面目そうな子が、実はこんなに面白いんだ!と分かると、新たな恋が生まれるかもよ〜」
なんて言いましたら、すっごい真剣に書き始める人も随分いました。



隣近所で交換して読みまわしをさせましたが、感想を聞いていると、けっこう鋭い指摘が飛び交っていました。
この年齢の人たちは、先生の評価より、異性の評価の方がよっぽど気になるのでしょう。