元旦のテーブル

晦日の夜、家人がそれぞれ寝室へと下がっていったころ、お母さんは、もう一頑張りして、元旦の食卓の準備をしました。



日常の食卓は、洗濯の楽なテーブルランナーか、汚れの目立たない青色のテーブルクロスをかけてあるのですが、元旦のような特別な日は、白いダマスク織りのテーブルクロスが登場します。
テーブルクロスが白いというだけで、十分に、食べ散らかしの心理的抑止力になります。
なにしろ、「白」ですから、お雑煮のおつゆの汁が一滴飛んでも、見えてしまうのです。
案の定翌日の、白いテーブルクロスを見て息子Aは
「この上に、黒豆を落としたら、何か恐ろしいことがおきるよねぇ」
と、早くも自衛線を張ってきました。



いくらなんでも、我が家の夫・息子A・息子B相手に、真っ白なテーブルクロスだけ、というのは、家庭内不和の元凶を準備しているようなものですから、その上に、真っ赤なランチョンマットを敷いて、極力無駄な家庭内バトルを避ける努力をします。
ランチョンマットは、白いテーブルクロスと、赤い屠蘇器と紅白でマッチして、お目出度い景色を作り出してくれます。ちなみに、お屠蘇の素は、忘れずに寝る前に入れておかないと、翌日は「ミリン」を啜ることになります。以前この失敗をしたことがあります。
部屋の暖房を切ったら、テーブルの上にお重を置き、お手塩皿と寿箸を並べて準備完了です。



元旦の朝食は、子供が大きくなったせいか、危惧していたような「恐ろしいこと」も起こらず、無事に終えることができました。有難いことです。