学年末の後で・・・・・②

感想文の難しさは、数学や理科やその他の教科のように、「この問題を解きなさい」という問題文がないところです。問題があるということは、必ず出題者が意図する答えが存在しているということでしょう。(少なくとも大学入試レベルまでは・・・・)
作文は書けるけれど、感想文は苦手という人のほとんどは、そのからくりに気づいていないのです。つまり、感想文では、自分で「出題者」と「回答者」の二つの役割を演じなければならないのです。五枚の作文がかけない人には、五枚の感想文は非常に難しいと思います。そして、あらすじをダラダラ五枚写してC評価をとる、というお決まりの轍を踏むことになりがちなのです。



このプロジェクトでは、100冊読んでいい本に出会う手間を省いて、クラスメイトからいい本(少なくとも二回くらいは読み返す価値があると思われた)を紹介してもらい、しかも、あわよくば、夏休みの感想文を書く手掛かりである、「ヒッカカリ」まで手に入れようというとっても虫のいいプロジェクトなのです。
実は、いい本にはめぐり合っているのに、全然ヒッカカらずに終わってしまっている人が多いのです。「納得できない箇所」とか「どう解釈すべきかわからない箇所」を提示してもらえたら、感想文のほぼ八割は、できあがったも同然。



今、下書きを書いている段階ですが、「読み返したことのある本」限定にしているので、私の思い通り、短編を選ぶ生徒が多いです。芥川龍之介太宰治は私が担当している3クラスを通じて根強い人気があります。
今週後半から、一人三分の持ち時間で、?あらすじを紹介すること?「私は読後にこんな疑問が残っています」というひっかかりを提示する、の二点の条件で発表が始まります。
机間巡視をしていて、気になる作品を数点みつけたので、彼らの発表をとても楽しみにしています。