歓送迎会

毎年、この時期恒例の歓送迎会に出席しました。
十数名の入れ替えがあり、長い人でも7〜8年で、学校を変わっていきます。
ほんの十数年で職員総入れ替えって言う状態になります。
公立の学校の不思議なところは、小中高を含めて、先生の入れ替わりが激しいというわりには、スクールカラーみたいなものが伝わっていくところです。
私は、自分が勤めるまでは、この不思議をどう解釈してよいか分かりませんでした。
非常勤稼業六年にして、その謎が分かってきました。


確かに、校長先生の考え方や、教師陣の力量に負うところはあるとは思いますが、要するに学校のカラーと、その地区に住む生徒の質とも大きく係わってきます。
公立の小中学校の場合は、その地区の住民の生活環境が大きく係わっていると感じました。
農村地区にある中学校で非常勤講師をしていた先生の話では、住民がおおらかで、学校の方針に対しては割合協力的に受け止めてくれるようです。
我が家の地区の小学校では、地域とのかかわりがすごく濃くて、年に一度のバザーでは毎年50万円弱の収益を上げているし、年三回の廃品回収でも合計50万円分くらいは回収していました。地域住民の協力無しにはなかなか難しいですよね。
海に近い学校では、住民に漁師で生計を立てている割合が多いせいか、生徒の気性も荒々しくて、喧嘩っ早かったという話も聞きました。
新しいマンション郡が建設させているような地区では、住民の世帯の平均年齢も若いし、加えて共働き世帯が多くて、学校とのかかわりが希薄になりがちだという先生もいらっしゃいました。
私は、今まで三つの学校に席を置いていますが、そこで実感したのは、やっぱり地区の特性が反映されているということでした。



さて、昨日の歓送迎会では、去ってゆく先生方から、一言ずつご挨拶がありました。
先生方の話を聞いていると、どの先生方も、生徒の成長を手助けしていきたい、という熱意に溢れた言葉ばかりでしたよ。
悩みながら、失敗しながら、へこみながら、でもすごく真剣に生徒のことを考えている、と言う思いが伝わってきました。
そういう思いが、内輪の中だけで吐露されるのではなくて、直接父兄に届くといいのになぁ、と思ったりしました。
それでモンスターペアレンツが減るとは思えませんが、少なくともまともな常識を持った、普通の親からの協力や理解が得られるんじゃないかなあ。先生を孤立させないというのは、もちろん教師同士の団結もあると思うけれど、それより心強いのは、父兄からの後押しだと思うのね。
ごちゃごちゃ理不尽な文句を言うモンスターな親に対して、
「少なくとも、その問題に関しては、先生は正しい。間近っているのはあの親の方だ」
という世論があれば、踏ん張っていけるのではないでしょうか?