女優バラ

とうとう我が家のバラが咲き始めました。やったー。
毎朝のイソジン消毒は欠かしていません。
手間がかかっているだけに、花が咲いた嬉しさもひとしおです。



ところで、私がしばしば通る自動車の通行量の多い踏み切り脇に、自然に生えた(場所柄から考えても、誰かが植えたとは考えにくい)と思われるバラの木が生えています。
空気が汚い。消毒されていない。追肥や剪定もされていない・・・・と思われる悪条件の重なる、そのスポットで、毎年この時期にバラが美しい花を咲かせています。
よほどその土壌とバラの木の相性がよいのでしょう。
自分でバラを育ててみて、いかにバラの花を咲かせるのが大変か、身にしみて分かっていますから、その野生のバラが毎年美しい花をつけるのは、奇跡のように思えます。



踏み切り脇ですから、電車が通るたびに、ものすごい風をまともに受けて、大きく枝をしなわせるのですが、その風で花が散ってしまうようなことはありません。
電車が通過してしまうと、何事も無かったかのように澄ました顔をして、大輪の花をこれみよがしにドライバーに見せつけています。
その姿は、遮断機が開くまで待たされているドライバーの目を意識しているような、演技しているような、そんなふうにも見えてきます。



美しいけれど、実はすごくたくましい、まるで女優魂をもっている白いバラ。
密かに私はそのバラを女優バラと名づけているのです。
女優バラ、実は我が家の近所にはけっこう生息していて、小さな空き地や家と家の敷地の境などにひっそり花をつけています。「ひっそり」咲いているのは健気ではありますが、主演女優ではなく、端役かせいぜい助演女優ですかねぇ。
今のところ、あの踏み切り脇で逞しく咲く女優バラに勝るものはまだ現れていません。