作文の苦手な生徒って・・・・・

相変わらず、「作文の種」が見つからない生徒が多くて困っています。
去年「書くことが無い」という題名の作文を書いた生徒がいて、私としては目の付け所が面白い作品だったという印象が残っています。
その話をしたら、数人の生徒が「書くことが無い」ということを「作文の種」にしてまいした。
こういう二番煎じを平気でする輩は、去年の本家本元「書くことが無い」を種にした生徒とは格段に書く能力が劣っているものです。仕方なく、一人ずつ私がインタビューして掘り起こしの手伝いと、コツを手取り足取り指導しました。


すると、面白いことが分かりました。
「書くことが無い」と言っている生徒に限って、手を動かすことが大嫌い。これは100パーセントの共通点です。
ところが、私が質問していくと、ボソボソとしゃべりだすではありませんか。
「へぇ、いつから作文が嫌いなの?」
「小学校から」
「国語の授業はどう?」
「嫌いです。」
「いつから?」
「小学校から」
「本を読むのは嫌いなの?」
「べつに嫌いじゃないけど、授業みたいに考えを書けとか、感想を書けといわれるのは嫌い」
「自分の意見や考えを出すのが苦手ってこと?」
「意見なんてないし」
「でも、自己主張が下手な人って、いろいろ損することがない?」
「ある。」
・・・・・・
と、いろいろ損したことをしゃべりだすではありませんか!


「○○君、今、私とここで話したことを文字にしてみようよ。少なくとも原稿用紙三枚分はあったと思うよ。」
「でも、先生が言うみたいに、何か気づいたことっていうのが書けないし」
「え゛〜、今、自分で自己主張が下手だと損することが多いってことに気づいたんじゃないの?」
「あっ、そっか」


「こういう小さな気づきでも立派な作文の種になることに気づいた、でもいいよね」
「へっ、そういうことか」
「ほら。今、何かに気づいたでしょ?」


というのを一クラスで五人も相手にしてきました。
とりあえず、
「なんか書けそう」
といってくれたのが救いです。