お重

一年に一度だけ登場する重箱とお屠蘇器。
去年の年末に台所の上置きから取り出し、昨日再び片付けました。
確かに面倒くさいのですが、実はこんな小道具が、我が家の空気を「お正月」に変えてくれます。



以前、年末に家族旅行をして、お正月の支度をしなかった年がありました。
実家の母から分けてもらったおせち料理を大皿に並べてオードブル風にして出したのですが、意外なことに息子たちから大不評でした。
お正月っぽくない、というのです。



ちなみに、我が家のおせち料理は手作りなので、デパート名店街が出しているような高級料亭のような高級な具ではありません。
黒豆・紅白なます・ダシ巻き卵・キントン・タツクリ・ブリの照り焼き・いりどり・紅白蒲鉾・ニシンの昆布巻き・数の子、とまあ一般的な内容です。
それでも一年に一度の特別な器・・・お重に入ると「お正月」料理になるらしいのです。



お屠蘇にいたっては、大晦日紅白歌合戦が終わってから、ミリンに屠蘇散を浸しておくだけのものなんだけど、元旦にお屠蘇器から注がれると、ただのミリンが「お屠蘇」になってしまうのですから、面白いです。
人は見かけが九割という本が出版されていましたが、人ばかりでなく、物だって見かけ・器・包みが九割なんだなぁ、とつくづく感じさせられました。