下戸返上

私は全くの下戸です。
たしか落語にもありましたよね、下戸比べをする話が。
ある人が、自分はまったくの下戸で、お猪口一杯で酔っ払うくらいだと話すと、別の下戸が、自分は、奈良漬を一切れ食べただけで酔っ払うと、自らの下戸度を自慢します。すると、二人の話を聞いていた三人目が、話に酔っ払って倒れてしまうというやつ。



そこまで酷いとは言いませんが、梅酒の効いた梅ゼリーを食べて顔が赤くなるくらいの下戸なのです。
チョコレートボンボンなんか食べてしまった日には、体中がポッホポッポしてしまうものだから、アソーテッドチョコレートの箱からチョコをつまむときには細心の注意を要します。


そんな下戸歴ン十年の私は、ほろ酔い気分というのを味わったことがありません。寂しい・・・・・
アル中になるほどでも困りますが、アルコールを全く嗜めないというのも、面白くありません。
例えば、ちょっとお高いフランス料理のレストランなんかへ行くと、みなさんほぼ全員がワインを飲まれます。が、私は水を飲んでいるのですよ。
水ですよ、普通の水道水!
こうなると面白くないを通り越して、情けない。
こういう情けない場面を何度も経験しておりますが、体がアルコールを受け付けない上に、アルコールが美味しいとも思えませんでしたから、アルコール嫌いを克服しようという気も起きませんでした。


ところが、この春、とある宿で飲んだ梅酒で、アルコールの旨さに開眼したのです。
メニューに「梅酒」と書いてありましたから、どんな銘柄なのか、チョーヤなのか、もっと高級なものなのか、まったく分かりません。これが美味しかったのです。今までに、一度も美味しいと思ったことがなかったアルコールですが、これは二杯目も注文してしまいました。梅酒のロック。
不思議なものですねぇ。美味しいと思って飲むと、顔が赤くなったり、体がポッポとしたりしないのです。
帰宅すると、迷わずに近くのスーパーでチョーヤの梅酒を買ってきました。
毎晩、夕食のときにグラスに二センチくらいの梅酒をチビチビ飲んでいます。
下戸返上の日も近い!かも。