緘黙症   その二

二三日前に、NHKラジオの教育相談で、場面緘黙症の子供についての相談をうけていました。
相談をうけた先生は、場面緘黙がどれほど本人にもつらいことかという説明をしていました。以下は先生の話からの抜粋と要約です。
場面緘黙の子供は、話す・聞くの機能に全く問題がないわけですから、本来なら、何かの機会にうっかりしゃべってしまうようなことだって起きてしまうはずなのです。クラスの誰かが面白いことをいったら、うっかり声を出して笑ってしまうようなことだってあってもいいはずなんです。けれども、緘黙の子供は、学校にいる限り身を固くして「声を出さない」ことに全身全霊をかけているのです。



私は彼が、声を出さないことを至上命題として登校から下校までずっと我慢していたなんて、想像したこともありませんでした。しゃべりたくないからしゃべらないのかなぁ、くらいに捉えていたのですが、それじゃあ「無口な子」ですよね。
確かに彼には、いつも「身を固くして」という表現がぴったりするような、ある種の緊張感が漂っています。



相談を受けていた先生が、緘黙の子供は、かつて自分が何か発言したことで、人に笑われたり、思いもしなかった事態が発生したりしたことが原因になっていることがあるとおっしゃっていました。
大人からみたら、子供のころの小さな失敗なんか取るに足らないと思うのでしょうが、そんなことでも大きな棘となって心に刺さってしまうこともあるのですねぇ・・・・・


私は、勉強不足で、たまたまラジオの教育相談で、緘黙について少し知ることが出来ましたが、こういうことって、先生はもちろんのこと、クラスの仲間も知っていたほうがいいような気がしました。クラスメイトが、どんな思いでじっと口をつぐんでいるのか、しゃべりたくないんじゃなくて、一言も声を出さないように緊張して生活していたんだという事実。
かなりの衝撃をうけました。