斉藤薫さんの本

まだファッション雑誌を毎月のように買っていたころ、私のお気に入りは「ヴァンテーヌ」(確か、こんな名前だったと思います)でした。
ファッション雑誌を隔月で買うくらいになったころ、私のお気に入りは「グラッツィア」(たしか、こんな名前でした)でした。
その両方の雑誌の中で、美容記事を書いておられたのが斉藤薫さんです。
たしか、光野桃さんという方のお洒落に関するエッセイも両雑誌には掲載されていて、彼女のエッセイも毎回楽しみでした。


さて、今回は斉藤さんの方。
ヴァンテーヌのころは、まだまだバブルの余韻が雑誌の中のあちらこちらに残っていて、その証拠に、出ている洋服のお値段が庶民の感覚からすれば一桁、いや20倍くらいは高いものがあたり前の顔をして出ていました。
一枚10万円のブラウスとか、1本15万円のスラックスとか。
ちょうどフェンディーの全盛期くらいで、毎月毎号といっていいほどフェンディーの新作が登場していたような記憶もあります。なんかやたらとアップリケやビーズ刺繍が施してあって、タダでさえお高いフェンディーのバッグが、プレーンのときより見方によっては醜悪になって、さらに値段は「いみじうこそお高けれ」という感じになっていましたっけ・・・・


そんな時代に、美容界では、それこそ毎月外国の大手化粧品会社から、何かしらの新作が発表されていました。
「1本五万円の美容液は確かに効いた」
みたいなコピーが、紙面を飾っていましたよね。
美容に関するさまざまな記事を書き、見開き二ページの超充実コラムを連載していたのが、斉藤薫さんでした。