斎藤薫さんの本  その二

毎月、新作の化粧品を実際に使って、成果をリポートしていたのが斉藤さんでした(よね)。
2ページくらいの記事で、おしゃれなイラストがついていて、その試供品を試したときの様子が逐一報告されていました。
ファッション雑誌にのせるリポートで、しかも広告会社の半分以上は美容業界で、とりあえずは大手化粧品会社の新作ですから、どう転んだって絶対にいいことしか書いていないはずなのに、毎回、何かしら新しい視点から商品の解説と効能が紹介してありました。私は、毎月毎月、何が何でも違った見方を見つけ出してきて、それを褒めまくるという齋藤さんの美容ジャーナリスとしてのプロ根性に脱帽して、毎月、彼女の担当するページから読み始めていたものです。



ファッション雑誌から遠ざかる時期がここ数年続いております。
先日、図書館で、懐かしい齋藤さんの名前を発見しました。
懐かしくなってすぐに借りて読みました。
表紙も思いっきりお洒落な写真が使ってあって、20年前のヴァンテーヌを思い出しました。
この本では、美容というより、ファッションと女の生き方みたいなものがテーマになっていて、分野が広がった分、ますます齋藤さんの斉藤節が饒舌に語られていて、すごく面白かったです。
たかが洋服と、安易に服を選んではいけない。頭を使い、アンテナの感度をよくし、感性を鋭く磨き、よく人を見て、ファッションするときはためらわずに実行する。
美しい人ほど、そのあたりのことを自覚していて、日々怠らず美しく生活しているのがわかります。



少々斉藤節独特の言い回しが気になるきらいはありましたが、読み終わって
「わたしも、こんなところでぬくぬくとオバサンしていてはいかん」という、忘れかけていたファッションへの闘志が湧いてきました。