歯がゆい

昨日、恒例の「おばさん講師の茶話会」がありました。
おばさん講師は、みんな違う中学で働いていますから、よその学校の生徒の様子や職員室の雰囲気、授業の進度なども聞けるので、日ごろ情報の少ない講師にとっては、この集まりはとてもよい機会です。
また、おばさん講師は、なかなか職場の悩みを話したり相談できる機会がありりません。生徒のことや成績のことや父兄・担任のことなど、外部の人には話せないことばかりですから。
その点、おばさん講師同士なら、内部のこともわかっているし、同じような経験をしていますから、悩みや不満を話してもわかってもらえます。



私が受け持っている三年生が、昨年に引き続き、とてもいい生徒でたちばかりでやりやすいので、本当のことをいうと、おばさん講師の茶話会のことをうっかり失念してしまうほどでした。ストレスフルな学校や学年や生徒を担当していた時は、もう二ヶ月くらい前から、茶話会でこれも話そう、あれも聞いてもらおうと待ち遠しく思っていたものです。今年は、それだけストレスが少ないということです。ありがたい、ありがたい。




今年は、おばさん講師のみなさん、一年生を担当している人が多くて、どこの学校勤務の人も、異口同音に
「一年生は大変だ」と言っていました。
私の勤め先でも、一年生の生徒には手を焼いているようです。
おばさん講師は異口同音に
「生徒の質も低下しているのかもしれないが、それよりなにより、ビシっとしめることができる先生がいない」
と言っていました。それは私も感じていることです。

一昔前までは、生徒指導の先生といえば、眼光鋭い角刈りのチョイワルオヤジみたいな先生が担当していませんでしたか?言葉は悪いですが、ヤクザのお兄さんみたいな人が、学校に一人くらいはいました。
それで、「生徒指導の○○先生」という名前がでると、さすがの悪たれ坊主でも、ちょっと引くみたいな関係があったと記憶しています。
イマドキの生徒指導の先生は、みなさん紳士なんです。
「オラオラ〜、おめえらぁ。ちょっとこっちへ来い」
なんて巻き舌を使う人は誰もいません。
声のトーンも押さえつつ、物腰も視線も柔らかく、竹刀なんか振りかざすこともなく、角刈りでもなく、黒いネクタイを締める人もなく。
私たちおばさん講師のほうが生徒指導担当の先生よりも明らかに年齢が上なんです。だから、よけいに見ていて歯がゆく感じてしまいます。
「あんた若いんだから、もっと、熱くなって、びしっと決めなさいよ」と。
はっきり言って、あんなに優しくて紳士的な指導なら、我が家で私が息子たちに怒鳴っているときの方が、よっぽど怖いし迫力があります。
教育委員会から、よほど厳しいお達しが出ているのかもしれません。
大声で威嚇したり巻き舌音をしてはならない、竹刀を持たない、角刈りにして怖い雰囲気をだしてはいけない、上から目線ではなく生徒と同じ目線で接するべし・・・など。



ところで非常勤の身分ってけっこう難しいものなのです。
生徒に対しては、担任を差し置いて生徒に怒り散らすのもなんだかな〜だし、優しいだけでは舐められるし。
経験の浅い若い先生に対しては、教諭としての立場を立てつつ、でも教えてあげたほうがいいこともあるし〜。



昨日の茶話会では、おばさん講師が覚えておくと便利なフレーズを習いました。
「あのぉ、老婆心ながら・・・」です。
私も是非活用させていただきます。