ゾンビ挙げ その一

以前、NHKの教育番組で、ベテラン教師が飛び入りで小・中学校の教室に入って授業をするというのを見たことがあります。講師になりたてのころは、わりと熱心にこの手の番組を見ていたものです。
さすが、ベテランといわれるだけあって、細部にさまざまな工夫がありました。
その中で、私が真似させてもらっているのが、 ○×のメモです。



一クラスに35人もの生徒がいると、どうしたって授業に参加できない(もしくは、参加したくない)生徒も出てきます。そういう人はうっかりすると一時間、本当にボーっとして過ごしてしまうことになります。なにか、どんな些細なことでも参加させるようにするためのテクニックです。



そんなときに使っていたのが○×のメモ。例えば、日本ではカタカナとひらがなのどちらが先に登場したか、という質問をしたあとで
「では、今からノートの片隅にカタカナかひらがなかのどちらかをメモしてください。そしてあなたがそう思った根拠を書いて」
といい、わざとらしく机間を周ります。もちろん根拠まで書いてある人は稀ですが、この目的は全員が少なくともノートの片隅にメモすることが目標なので根拠が書いてないことは気にしません。


これが意外と効果的で、半分眠っていたような生徒も、とりあえず自分の答えを書いて、正解を気にするそぶりを見せるのです。


この続きは明日へ。