華麗なるギャッツビー

もう何十年も前に、映画「華麗なるギャッツビー」が地上波で公開されていたとき、チラッと見た覚えがあります。
うろ覚えでぼんやりとですが、ミア・ファローロバート・レッドフォードが主演だったような気がします。
すごく個人的な意見ですが、どうしてもミア・ファローのことを「美しい人」と思えなかったので、映画の中で、ギャッビーが人生をかけて愛する理想の女性という設定とは私の中で乖離が大きかったことだけがやけに記憶に残っています。(まったくの私の趣味ですが・・・)


それで、映画から受けた印象がイマイチだったので、本を読むことなかったのでした。


先日、図書館で、村上春樹訳のグレートギャッビーをみつけたので、気になって借りてきました。
村上春樹訳の本を何冊か読んだ経験から、既存の翻訳本より格段に読みやすくなつているのを知っていたからです。
例えば、キャッチャーインザライは、村上版で初めて主人公の投げやりでけだるい気分を共感できました。以前読んだ版は、十代の主人公の悩み方が、すごく哲学的で、この上なく難しい内容だったと記憶しています。



ギャッツビーも思ったとおりの読みやすさでした。
言葉遣いやその他の設定に無理がなくて、ちっとも古臭くないし、何よりも登場人物に血が通っていて躍動感を覚える翻訳でした。
それは置いておいて・・・・
やっぱり主人公のデイジーは、ミア・ファローじゃないと確信しました。
ギャッツビーは、レッドフォードがぴったりはまっています。
胡散臭げで、自信家で、成り上がりで。でも一人の女性をもとめ続けるロマンティストでもある、という役どころに打ってつけの役者さんでした。
デイジーは、全ての男を夢中にさせる、もっと強くて判りやすい魅力を持つ女優さんに演じてほしいなあ。もちろん良家の子女ですから、あけすけな性的オーラを放つようなのではダメですが・・・


もしも、映画を先に見ている方で、「ああ、知ってる」という方は、一度村上春樹訳のを読んでみて下さい。
イメージが一変します。