喋々喃々

小川糸さんという女性作家をご存知ですか?
今年話題になった映画「食堂かたつむり」の作者といったら「ああ、あの作品の作者さんか」と頷く方も多いのでは?
私は、「食堂かたつむり」は読んでいませんが、絶対に読もうと思っています。



すごくいいんだわ。
喋々喃々という題名がまたまたいいじゃん。
ちなみに、喋々喃々の意味は、「男女が仲良くおしゃべりをする様子」なんだそうです。
口偏が四つもついているところから、おしゃべりに関する四字熟語なんだろうなあとの予想はしておりましたが、恥ずかしながら、辞書で引くまでこの言葉を知りませんでした。


「ちょうちょうなんなん」
そういえば、大人の男女のカップルが仲睦ましげに語り合う様子は「ちょうちょうなんなん」という雰囲気じゃないですか、語感として。



ある大人の男女の出会いから一年の出来事が静かに描かれているという内容です。
話の展開に一役買っているのが「物を食べる」というものすごく原始的でいてしかも知的な活動。
ところで食べ物の描写ってすごく難しいと思いませんか?
喋々喃々では、食べ物の描写が沢山出てきますが、そこに出てくる食べ物の描写が、もうスンバらしいのです。
登場してくるささやかなお膳の料理が無性に食べたくなります。
間違っても厚さ二センチのビフテキなんか出てきません。
あっさりしたお漬物や、季節の野菜のお浸しなんかが登場しますが、鮮やかな色や醤油の香りがふっと脳裏をよぎるほどでした。
あ゛〜私も炭火を入れて海苔を焼く道具がほしい〜、と強烈に思いました。



是非一度読んでみてください。
お腹が減っているときに読むと辛いかも知れませんから、ダイエット中の人はやめた方がいいです。