林真理子さんは面白い

この方のエッセイは、本当に面白いと思います。
「日常生活のことをくだくだ書いている」とご本人さんは謙遜して言っておられますが、こんな生活が日常生活だという女性が、日本に何人いる?


朝は、ダイエット体操のために、プロのトレーナーを雇い、昼はインタビューとかで超大物の方とじかにお会いして『一流人』のオーラを胸いっぱいに吸い込み、夜は歌舞伎観劇だオペラ鑑賞だワインの会だと、贅沢三昧の日々。


人間は、二通りの感じ方をするようです。
自慢たらたらで嫌。
自慢話をするのも聞くのも好き。
私は、こういう自分ではのぞけない生活の自慢も含めて話を聞くのが好き。
林真理子さんのエッセイには、私好みの話がてんこ盛りです。


それと、感服しているのには、子を持つ女性にありがちに子供の話が一切ないことです。
嫌味だなあと思ったのは「南ナントカ」さんという、もと女子アナが某ファッション誌に、自分の息子のことを綴ったエッセイです。
わりと遅くに授かった子で、可愛くて仕方がないのはわかりますが、「可愛くてしかたがない」という内容を文章にしてどうするんじゃい!
それに比べて林さんは、せいぜい「朝、子供を電車で学校に送った」くらいの記述しかなくて、一言も(彼女の作品を全部読んだわけではないので一言くらいはあるのかもしれませんが・・・・)、この子が可愛くてすごい才能がある、とは書いていません。



小学生までの子供って、ある意味みんな「天才」なんだと思います。
中学生になると、なぜか殆どが凡人になりますが・・・・
それを、わざわざ自慢げに書かれると、ちょっとげんなりしてしまいます。
少なくとも、林さんのはそれが無いので、読みやすいです。