模擬裁判

昨日、中学三年生の総合の授業で面白い試みをしているのを見学してきました。
本物の弁護士さんに三年生のクラスの数の人数だけ来て頂いて、各クラスの生徒の演ずる模擬裁判を見てもらい、評とアドバイスを頂くというものでした。


法廷のやり取りの台本は用意されていて、それを寸劇にしたものです。
被告が一人、検察が三人、弁護士が三人、目撃証人が一人、裁判官が三人、裁判員が六人、廷吏が一人、残りは傍聴人という構成です。


台本の台詞を読むわけですから、まあ、誰がやっても同じだといえなくもないですが、面白いもので、この子なら検察官に向いているよね、という子が検察の役をやり、この子なら弁護士が似合いそう、という子が弁護人の役をやっていて、思わず笑ってしまいました。


話はこんな感じ。
親友のAとBが久しぶりにAのアパートで飲み明かしている。
Aは、Bが女性Cと付き合っているのを知っていて、「応援する」といいながら、実はこっそり付き合っている。それをBが知って怒り、口論となる。
Bは午前三時にアパートを出て、途中コンビニや公園によりながら午前五時ごろ自宅に戻る。翌朝8時、携帯電話をAのアパートに忘れたことに気付いたBが取に戻ると、Aが頭を灰皿で殴られて死亡していた。慌てたBがアパートから逃げ出すところを隣の部屋の住人に見られたという筋。


火曜サスペンス劇場にもありそうな面白い筋ですよね。

裁判の様子を聞きながら、裁判員と傍聴席のみんなは被告Bが有罪か無罪かを判定するのです。
私は、傍聴席でその劇を見ましたが、なかなかに白熱の演技で面白かったです。
一応授業の一環なので、傍聴席の生徒も、幾つかのグループに分かれて、判決を出すのですが、私が入れてもらった班では「無罪」としました。


理由は、証拠として上げられていた凶器の灰皿についていた指紋です。
検察は、その指紋が動かぬ証拠だといいますが、被告は前日、その部屋で飲んでいたわけですから、その部屋の中に彼の指紋があってもおかしくない。しかも、灰皿についていた指紋が、親指と人差し指の二本だけというのは、不自然。なぜなら、もしも灰皿で人の頭蓋骨を折って殺してしまうほど強く殴ったのなら、五本全ての指の指紋か、もしくは両方の手の指紋が残っていているはず。
よって、その指紋にBの指紋が残っていたことが犯人と断定するには証拠が不十分だからという理由です。



私は、五時間目が終わった時点でその場を抜けてきたので、最終的にどういう判決が下ったのかは知りませんが、皆、それなりに真剣に悩んでいるのが素晴らしいと思いました。


金曜日に授業があるので、その時に判決がどうなったか教えてもらいます。
また、ここでもご報告します。