お邪魔な卒業生

昨日の午後のことでした。
のどかな昼下がり、私は明日の授業に備えて、プリントを印刷したり、資料集の頁を確認したりしておりました。



と、突然一人の先生が職員室に入ってきて、
「今、卒業生が学校に入ってきてウロウロしているのを見つけました」
との報告。
職員室に残っていた先生たちが出ていって、15分くらいかかって迷惑な卒業生を追い出したようです。
ところとが、ものの10分もするとまたノコノコ舞い戻ってきたようで、その後、私がお先に失礼するまで、先生たちはずっと職員室には戻ってきませんでした。
先生方としては、せっかくの空き時間、さぞやいろいろやりたい仕事があったでしょうに、迷惑な闖入者のお蔭でまったくのフイになってしまったわけです。
聞くところによると、迷惑な卒業生は、なんと、20歳くらいのプー太郎で、時々ヒマを持て余しては、卒業した中学校へ顔を出しにくるようなのです。
こんな時間帯に、ウロウロしているのも無職のなせる業なんでしょうが、それよりなにより、20歳のいい若者が、中学生を相手にちょっかい出しに来るっていうところに、うら寂しさを感じてしまいました。


ちなみに、用も無いのにウロウロやってくる卒業生って、おおむね在学当時、ものすごく先生方に世話になったという人が多い。
以前勤めていた中学校は、特に底辺部の生徒を手厚く面倒を見るというポリシーがありました(本当に頭の下がる思いがして見ておりました)。
底辺部にいた卒業生たちにとっては、恐らく中学は、かなり居心地のよい場所だったと思います。あれこれ目をかけ気をかけ手をかけられていましたから。
(遅刻してきた生徒を、校長・教頭・教務主任・校務主任・学年主任・生徒指導の先生が勢ぞろいでお出迎えしていましたから!)

ところが、卒業して高校なり専門学校なり就職なりしてしまうと、自分を特別扱いしてくれる人は誰もいなくなってしまうわけです。早い話が、無視されてしまうわけ。
「あれ?こんなハズじゃなかった。オレら中学ではもっと手厚く遇せられていたのに。新しい環境では、中学のときみたいに、自分に注目してくれた先生がいないじゃん・・・」
みたいな気持ちになるようで、しょっちゅう新しい高校の制服を着た元問題児の生徒がたむろしていました。


昨日やってきた20歳のプー太郎の卒業生も、きっとそんな思いを抱いて、懐かしい(いい意味でも悪い意味でも)中学へフラっとやってきたのかな?