本当の学力は作文で伸びる

先日、「本当の学力は作文で伸びる」という、わたしの職業に関係してくるかもしれない表題の本を読ました。
一言でいうと、観察力のある子は作文も書けるし、学力も伸びるもということだと理解しました。
それは納得できる指摘です。


私は、小さいころから「作文」「感想文」が(うまいか下手かは別問題です)書けずに困ったという経験をしたことがありませんから、どうして中学生がこんなに作文を書くのを嫌がるのか理解できませんでした。苦手だという生徒は、異口同音に、原稿用紙五枚分も、書く事がない、と言うからです。授業中にべらべら私語する生徒は特にその傾向が強い(断定できます)。
どうしてそれだけしゃべることがあるのに、それを作文に出来ないのか、こっちが聞きたいくらい。
単に文字を書くのが嫌なのかなあ?


「本当の学力は作文で伸びる」の筆者は、「ストーリー性」を持たせることで作文がすらすら書けるようになると述べておられました。ストーリー性とは、要するに作文には結果を書かない、ということでした。
結果だけ書くと、「昨日、学校へ行きました」で終わってしまいます。学校へ行った本人にとっては、学校へ行くのは当たり前の出来事すぎて、「何にも書くことなんかないし・・・」ということになりますが、本人以外の読み手は全員、その生徒がどういうふうに学校に行くのか、どんな経路を通るのか、途中で何を見たのか、誰に会ったのかは知る由もありません。
作文が下手な人の作品は、ちょうどスポーツの試合の結果だけ教えて、途中の激闘の様子を全く省いてしまっているのと同じことなんです。(と、筆者は言っています)
サッカーアジア大会の韓国戦は、日本が勝ちました。
といわれても
「へぇ」
ですよね。面白くもなんともない。


表現を面白くするテクニックなどもたくさん書かれていますから、興味のある人はご一読ください。
但し・・・・・この本が対象にしているのは『小学生をもつ親御さん』です。
筆者が一番力説していたのは、「子どもの学力・作文力を伸ばすのは、家庭学習のやり方・やらせ方」次第だという点でした。
ここが難しいところ。
母親の心がけや姿勢なども載っています。
うちはもう間に合いませんが、お子さんの年齢が「まだ間に合う」方は、是非参考にしてください。