私服で受験したら?

国語の授業で、「なんで、中学生は卒業後なのに、高校の公立試験のときに中学の制服を着ていくのかな?」
という質問を出しました。

流れとしては、「礼について」というエッセイの中に、
「礼とは、相手に自分の存在をどうみせるのか」、ということだと書いてありました。
例えば欧米風のオープンな挨拶では、「私はあなたに敵意を抱いていないよ」という自分をみせ、日本などの頭を下げるタイプの礼では、江戸時代以前からはぐくまれてきた「あなたに服従します」( 大名行列を土下座して待つとか、上位の立場の人には直接話しかけないで、取次ぎがいた、などの例が挙げられていました )が根底にある・・・など(随筆の中にそう書いてありました)。


中学生では、もっと身近な例として、制服を着ている自分は、相手にどういうふうに見せているのか、というレベルで考えてもらいました。
真面目な私、○○中学校に所属している私、制服は中学生の礼装にも当るかららだとか、まあ想定内の意見が出されました。


「ほら見て。制服をきっちり着ている私は、真面目で、ただしい中学生ですよ〜」
というアピールになって、受験などで相手によい印象を与えるから制服を着て試験に行くんだそうです。
「そんなこと、考えたこともないし。」「常識だから」「みんなが着ているから」という人ももちろんいます。



真面目に見せたいと思う反面、一応校則で定められている、ちょっと細かいルール(ひところよりは、うるさいルールもなくなったみたいですが)を崩す人は、どういうつもりなのかな。


私の個人的なイメージですが・・・と前置きして、
さんざん着崩していていたり髪を染めたりして「一応制服着ている僕」をするくらいなら、「この私服を着た僕のほうが、自分を一番自分らしく表現していると思うので、私服で来ました。」
の方がカッコいいと思う。第一、受験には制服でなければならないという決まりってあるのかなあ?
と、言いました。
中学の先生に「○○くんの服装はNGだよ」と注意されるってことは、ルールからはみ出しているってこと。そんなレベルで、ちょこっとルール破って「私は自分らしさを表現している」というくらいなら、しない方がいい。私服で入試に行くというくらいの信念がないなら、ルールに従うべきだと思うんだけどね。


授業後、ひとりの髪の毛がとさか状の生徒がやってきて、
「先生、本当に私服で行ってもいいんですか」
と聞いてきました。
「そういう信念があるなら、チャレンジしてみたら?但し、それが受け入れられるかどうかは相手次第だからねえ。ちなみ、私は臆病なルール違反よりは、いいと思うけど、試験官は私じゃないもんねぇ」
と答えておきました。
「自己責任ってことでお願いしますよ。あとで、入試に失敗したのはあいつに言われたから・・・は言いっこなしで。」
といっておきました。