卒業式

今日は、勤め先の中学の卒業式でした。


お式は、とてもスムーズに執り行われて、300人近い生徒がいるにも関わらず全ての次第が終わるのに一時間半もかかりませんでした。
答辞も送辞もあっさりしてしていて、とても清々しい式でした。
こんなことを言うと語弊があるかも知れませんが、正直な感想を述べると・・・
卒業式のための練習に、妙に時間をとる学校がありますが、あれははっきりいって時間の無駄遣いだとおもいます。「卒業の歌」にとても難しい合唱曲を選曲する学校もありましたが、歌の練習に時間を割くのは、これももったいない。


今の勤め先の学校は、最後の最後まで授業が入っていたようです。
一年を振り返ると、この学校は、学校行事で授業がつぶれるということがとても少ないところでした。私のように非常勤をしていると、それを如実に実感できます。授業がへれば、働く時間数も減りますからね。



以前、勤めていた「とある中学」は、とにかく学校行事の多い学校で、しょっちゅう学級活動だの学校行事だのが入りました。
おまけに、一こまの時間が45分という小学校並みの短い設定でした。
もちろん正式には50分授業なのですが、「特別な学校行事がある日」というような名目で、一年の半分以上は45分授業。一日で30分短くて、例えば一年の半分の17週短い日があったとしたら、50時間ほど勉強時間が短いという計算になります。
よく父兄から苦情がでないものだと不思議に思っております。


さて、卒業式に話を戻します。
卒業生が最後にうたってくれたのは、「ふるさと」でした。
「ウサギ追いしかの山〜」の「ふるさと」です。
シンプルこの上ないメロディーラインと、歌詞の少なさ。イマドキの歌は、テンポが速くて歌詞が目一杯詰め込んであるので、はっきりいって何をうたっているのかききとれたためしがありませんでした。が、「ふるさと」は違います。私はしみじみと歌詞に聞きいって、しんみりしてしまいました。
実際のところは、最後まで授業が入れてあって、式や歌の練習に時間が割けないから、という現実的な理由もあったようですが、私はとてもよかったと思いました。
それができるのも(短い練習でこれほどまでにきちんとした式ができたこと)、三年間かけて、先生方が生徒を上手に育てあげた成果なんでしょうけれど。


今まで見てきた中学で、つくづく感じることがあります。
卒業式には、生徒の三年間の成長の成果が正直に反映されています。うだうだした生徒がたくさんいる学校は、やっぱり(正直にいいますね・・・)指導が行き届いていないことが多いと思います。
ビシっと強く出るにしろ、優しく面倒をみるにしろ、先生が生徒をよく見て育てた学校の卒業式は、生徒自身が卒業を誇らしげに感じているようすがみてとれて、見ていて清々しい気持ちになります。