漢文

高校一年生の二クラスで、漢文と現代国語を担当しています。
いよいよ来週から漢文の分野に入ります。

昔々、高校生のころ、がむしゃらに「基本文型」というやつをテスト前限定で覚えたことを思い出します。
一通りの基本文型くらいは思い出しておこうと、「一番わかる漢文」みたいな薄くてわかりやすい参考書を見て勉強しています。


何が難しいかといって、助詞・助動詞の送り仮名のつけ方でした。
「可」に否定や疑問・反語の助詞がついときの、助詞のつけ方なんて、覚えてません。
〜べからず(これはお馴染みの表現ですね)
〜べけんや(初めて見た気もするくらい!)
こんなのあったっけ?


ところで、漢文の復習、これが、けっこうはまります。
15歳や16歳のときに2000年前の漢文の読み方なんて、全然興味も関心もなかったんだけど、30数年を経た今、この古めかしい表現が、すごく身近に感じ、むしろしっくりくるのです。


冬休みに、息子AやBの古文の教科書を読んで高校の古文に備えていたときも、実は同じような感覚を持ちました。高校時代に「わけわかんないし・・・」といいつつ覚えた(わかんないから、もう暗記しちゃおっ)文章が、30年を経た今となると、すごく自然に腑に落ちたりするのです。


古典が嫌いという若い世代の皆さん!
古典(漢文も含む)は何のために若いときに勉強するのか、この年になって分かりました。
若いときに全然ちんぷんかんぷんだった、という経験が必要なんですよ、きっと。
年をとって、改めてそれに触れたとき、「な〜んだ、そういうこと?」みたいな、軽々と『かつての試練を乗り越えた感』を味わうためには、若い頃の「全然わかんないし・・・」という経験が必要なんです。
若い頃、わかんなければわかんないほど、年取って「わかった!」と思える幸福度が高まります。


なんだか、若い人たちに、「わけわかんない漢文」を教えるのが楽しみになってきました。