雪冤

大門剛明(だいもんたけあき)氏のミステリー小説です。
本の帯には、『横溝正史ミステリ大賞テレビ東京W受賞作!』と華々しく書かれています。


題名の「冤」の字から想像がつくかも知れませんが、冤罪を廻る重たいテーマの小説です。


死刑囚の息子を持つ元弁護士の男性が、息子の冤罪を信じて新事実を探すうちに、時効直前になって、「私が真犯人だ」という電話を受けるという衝撃的な展開となっています。
息子の死刑執行が刻々と迫る中、父は次第に真犯人を追い詰めるのですが・・・・


死刑の廃止か存続かという点についても、考えさせられる、というか、時期的にちょうど裁判員制度が始まる前くらいの時期に発表されたの作品らしいので、いやが上にも考えなければならないテーマだったのでは?


ただ、ラストが・・・・
どんでん返し過ぎ。
どんでんどんでんどんでん返し(三回も犯人が変わるとは!)になっていて、読み終えて六時間以上経った今もまだ腑に落ちないのです。
ただ単に、私の読書能力が劣っているのかも知れませんが。
走れメロス」にこだわりすぎていて、ちょっと強引過ぎる気がするんですけど、どうでしょうか?
ストーリーの最後の最後なので、ネタバレしてもいけませんから、あえてその箇所については言及しません。


イマドキノ読者は、一回のどんでん返しくらいじゃあ満足してくれなくて、それに応える形で、こんなに話が複雑になっているのでしょうか?


絶対にどんでん返しが存在しない、テレビドラマの水戸黄門の話を本で読みたいとは思いませんが(テレビで見るあの番組は好きですよ)、どんでんどんでんどんでん返しの話もかなり辛いっす。