ちょっとピンぼけ

いわずと知れたロバート・キャパの写真集です。
いままで名前はしばしば耳にしたものの、実際に見たことがなかったものたちのうちの一つです。
名まえは知っていても、実際は知らない・見たことがない・聞いたことがない、食べたことはない・・・・という手のモノやコトってたくさんあります。


今回、高校三年生の国語の教科書(指導書)の中の一節に載っておりましたので、図書館で借りてきました。


写真はもちろん面白いんだけど、それについている文章がとってもビビッド。話し言葉で綴ってあるので、気安くささっと斜め読みができます。
ちょうど世界中がきな臭くなっていく辺りから写真集は始まります。主にヨーロッパの戦線の様子が取られています。
戦争中のちょっとした日常が切り取られていて、興味深い写真集です。
この写真集を見る限りじゃあ、日本国民は随分と貧しげでした。

教科書ではノルマンディのところが話題に出ていますから、当然ですがその箇所を見せて、少し彼の文章も紹介しました。
その前の授業で、これまたノルマンディー上陸の戦闘シーンが話題になった(らしい)スピルバーグの『プライベート・ライアン』のビデオを5分ほど見せました。
映像は激しすぎるので、もちろん「見たくない人は無理して見ないで下さいね」といいましたが、写真集のほうは全員に見てもらいました。


教材は、虚構と現実についての評論文なんだけど、やっぱり文字だけを追うより、映像があると生徒の反応も違います。
もっとも、筆者は映像の虚構性について警鐘をならしているのですが。