赤点

「赤点」、高校から縁が切れると、あまり耳にしないことばですよね。
中学で非常勤をしていたときには、すべての人が等しく卒業できましたから、「赤点」は関係ありませんでした。
たとえ零点だろうと、一度も学校に登校していなくても、カンニングなどの不正行為をしても、ひどい話、少年院に入っていたとしても、15歳の3月には、晴れて中学を卒業します。
私は、公立の義務教育の諸悪の根源はここにあると思っていますが、それはまあ、それはもっと偉い方々に論じていただくとして・・・・


高校生にとって、定期テストの平均点と赤点と出席日数は、あるライン以下にいる生徒にとってはかなり切実な問題です。
30年前の自分を思い出すと、私も危ない人の一人として、ドキドキした覚えがあります。物理とか・・・数学とか・・・



今日、最後の一クラス、一年生のテストを返却しました。
さすがに高校生となって半年以上たって、中学のときのように甘くはない(自分がテストでとって得点がすべてだという事実)と気づいて、目が真剣。
中学生も確かに「平均点」というものを気にしていました。
でも、公立中学の平均点ほど当てにならない平均は無いよね。
だって、得点の分布が正規分布とは程遠い二瘤だったり、下位集団だけ異様に密度が濃かったりという分布をするんだから・・・。


高校生の平均点は、容赦なく我が身に明暗を振り分けるラインに直結ですから、みんなが知りたがるのも頷けます。
今回のテストで私の担当では、三年生に一名、自他共に認める赤点覚悟の生徒(中間テストが悪すぎて、どうにも挽回できそうもない人です)以外は、全員セーフで、生徒も私も胸を撫で下ろしています。


成績を学校のパソコンに入力していて気がついたのですが、赤点と借金って似てますね。
借金の多重債務者同様、赤点債務者とでもいいましょうか、特定の生徒は、重複して赤点をとっているので、名簿のある一列だけは禍々しい赤ラインに染まっています。
数字が赤になるんじゃなくて、該当のセルが赤くなるのです。
せめて、本物の赤じゃなくて、ピンクとか、黄色とかのハイライトなるようにすればよいと思うのですが、パソコン画面上に、「真っ赤ライン」や「虫食い状の真っ赤セル」が浮かび上がると、正直なところ、ぎょっとします・・・・・


赤点債務者諸君よ、冬休みの追試で頑張れ!