文科省に提案があります

去年担当したの三年生は、2クラスとも商業科でした。
もう、高校生の鑑みたいな素直な良い生徒でした。
なにしろ、商業科の彼らは、高校に入った時点で目標は定まっているわけです。
一年に数回ある簿記だの経理だのの試験が三年間ずっと定期的に行われます。
合格して、次々に級をあげていくというテストですから、シビアですよね。
でも考えてみたら、シビアとはいえ、この資格試験で得た資格ってある種のご褒美です。
自分の経歴に一つ一つ刻まれていって、将来(就職とか)役に立つものです。
自分の努力が結果になって報われるという経験を積んできたかれらは、やっぱり学習しています。
「合格するためには、この問題集をやるべし」
といわれたら、それをやる。やれば、合格する。
そういう経験からか、先生にいわれた課題には、『もんのすごく』真面目に取り組んでくれます。
その取り組みの態度が、鑑なんです。
たとえ、それが彼らの専門外の教科である国語であっても、です。
与えられた課題に対して、真面目に取り組むという姿勢が、刷り込まれているもとでも言いましょうか。


普通科の生徒にも、模試がありますが、「合否」はありませんよね。自分の偏差値が記された結果表が戻ってくるだけです。これって、確かにショックは受けますが、「合否」と違ってシビアさに欠けますし、たまたまよい結果がでたとしても、自分の「経歴」には残りません。
本当の「合否」は高校三年生の卒業時に出るわけで、目標が遠すぎる。
それに比べて、短い周期で、かなり定まった目標があるのは、勉強のモチベーションが上がりやすいです。


今年初めて、同じ学年で、普通科と商業科のクラスを見ることになりました。
すでに、肌で感じ取れるほど、学科の違いによるクラスの雰囲気の違いが判ります。
宿題の提出率。
商業科の生徒は、100パーセントでした。
全員、指定された日に、指定された範囲の宿題の範囲を(自力にせよ、答えを写したにせよ)やり終えて出す。この気合!
普通科の生徒は、以前私が中学で非常勤をしていた経験からすれば、優秀だとは思いますが、100パーセントではなかった。
この違いって、すごいことだと思いませんか?


で、つくづく思いました。
遠いぼんやりとした目標って力になりにくい。なにか、本人が嬉しくなるようなご褒美が必要なんじゃないかって。
どんなご褒美かというと、ほら、アメリカなんかで実施しているような、全国共通試験みたいなテストが良いんじゃない?
何度でもチャレンジできて、良い結果がでれば、それを入試の成績として使えるっていうシステム。頑張ったら、ご褒美が出るってシステム。
これなら、「よし、今度はもっと頑張って、もっといい点数を狙ってやるっ」
という気持ちになれるんじゃない?
そしたら、もっと自発的に勉強に取り組めるんじゃないかな・・・・・