絵仏師良秀

教科書で、次に扱う単元は宇治拾遺から『絵仏師良秀』。
誰でも知っているお話の一つです。
芥川龍之介の『地獄変』の材料となった作品として有名ですもんね。
私は、「絵仏師良秀を扱うときは、ぜひとも芥川さんの『地獄変』をプリントしてみんなに読ませたいなぁ、と思っていました。
絵仏師の方もかなりインパクトの強い作品ですが、『地獄変』はそれの比じゃないストーリーでしたよね。


今日、うろ覚えなままではいけないと、『地獄編』を改めて読み返してみることにしました。
私の記憶では随分と短い話だったと思っていたのですが、実際は、全部コピーして全員に配るには量が多いことに気付きました。文庫本で30数ページの作品です。
細部を忘れていましたが、地獄変は、絵仏師良秀のその後、という設定だったのですねぇ。
良秀自身が「よじり不動を描いたことで評判になった・・・」みたいな供述をしているところがありましたから。


それと、サルの存在もすっかり忘れておりました。
これは何を象徴していたのですかね・・・?


いくら私が授業中に『地獄変』を薦めたって、イマドキの高校生が、大正時代の作家(彼らにとっては、大正時代は、すでに古典の範疇なんです!)なんか絶対に読まないはず。
でも、ぜひとも紹介したいじゃない?
そこで、苦肉の策を考え付きました。
前半の十三章までは、私の拙い「あらすじ」バージョンで補い、十四章からコピーして、A3サイズ一枚の裏表で収める。
なかなかいい案!と自画自賛して、早速、あらすじを作りました。
授業では、
「実は、この話には、一年生のときに読んだ羅生門の作者・芥川龍之介による続きがあるんだよ〜」
といって、どんな展開になるのか予想してもらうつもりです。
どんな「予想」がでるか、楽しみです。