読み書きの力

今年の新外国人講師は、オーストラリア人。でも、外見は東洋人という人です。
昨日で二回目の来校でした。
教頭先生直々に、外国人講師さんに、なるべく気軽に話しかけてあげて、といわれたこともあり、ちょっと世間話をしてきました。


彼は、中国人だというので、中国語でちょびっと話しかけてみると、なんと驚いたことに、
「あなたのは、北京語じやないですか?僕の両親は香港人なので、広東語しか話せませんし、広東じゃないと判らないというのです。」
しかも、彼は、漢字が読めないというのですよ。


ちょっとびっくりじゃないですか?
なんでも、今から30年前に両親が香港から移住したそうです。
たった一世代で、両親の母語ですら、その子どもには覚束なくなってしまうのですね。
そこそこ日本語が話せたので、どこで学んだのかと聞くと、オーストラリアの高校で外国語としての日本語を選択しそうです。大学時代に一年間立命館大へ留学し、この仕事で日本にきてから3年目だそうです。



彼と話していて、つくづく思ったんだけど、言語の獲得って、やっぱり社会とのかかわりの中で育てていく部分が大きいんですね。
たとえ両親が香港人であっても、生活圏が英語の世界であれば、よほど努力していかないと、スピーキングはともかくとしても、読み書きの能力は育たないんです。
そういえば、アメリカにいたとき、日本から移住した人たちと知り合ったんだけど、やっぱり彼らの子どもたちも、日本語の読み書きは出来ませんでした。
そうしてみると、小学校で習得する「読み書き」の能力って、ものすごく大切なんですね。