フェロモン

昨日、二年生のとあるクラスに入っていくと、私好みの、あまやかなフレグランスが鼻腔をくすぐりました。
すぐに、クラスの中の誰かが香りをつけてきたのだと察しました。
実は、この「香り」は、別に校則違反でもなんでもないんです。
自分が高校生だったころを思い返して下さい。なにか、つけていませんでしたか?
私は、柑橘系のオードトワレをつけてました。
そういえば先生が、
「男子クラスの教室の中は、すごいことのなっているよ。花園にいるくらい、いろんな良い香りが満ちているんだ。ただし、弁当のおかずのにおいと混ざっているからねえ、すごいことなんだ」
とおっしゃったのを覚えています。


私の感覚すると、今の高校生の方が、その手の「香り」をつけていないくらいだと思います。30年前に比べたら、制汗スプレーとか、汗やテカリを押さえるようなスグレ物が手軽に手に入るから、わざわざ香りづけする必要がないのかもしれません。


とにかく、昨日は、ある生徒が珍しく「香水」をつけてきたのでした。


「あららら?誰だろう。この香りの持ち主は。わーーー、これ、完全にドストライクだわ。私好みの香りなのよね〜」
といって、クンクンと小鼻を動かしたら、すぐに持ち主が判明しました。
「へえ、A君だったのか。私、今日の授業は、A君の前から離れられないよ。だって熟女をひきつけるフェロモンをA君が発信している以上、仕方がないよね〜」
と言ったら、本人はいやそうな顔をしていました。
私は、そんなことには気付かないフリをして、一時間、黒板とA君の机の横とを往復して、存分に「いや〜な気分」を堪能してもらいました。


さて、問題は次回の国語の授業のときだよね。
果たしてA君は、私の嫌がらせに辟易して、素の自分に戻ってくるか?
私の読みでは十中八九は素で来ると見ています。