思い込み

前に、私が「思い込み」だけで、この夏から、英語の勉強を続けているという内容のことを書きました。
これは今に始まった性癖ではなくて、昔からその傾向はあると自覚していました。俗に言う「妄想」ってやつでしょうか。
一方、「思い込み」って、負のパワーも持っているのはいうまでもありません。
この間も、短歌単元の授業中、本歌取りのものが出てきたので、
「この短歌は、A〜Jの短歌のなかの、どの短歌を意識して作られているとおもう?」
という質問をしました。
本歌取りについては、・・・・今だったら「パクリだ」といわれるかもね。マンガ銀河鉄道スリーナインの作者・松本レイジさんと、歌手の牧原なんとかさんが、数年前に、歌詞の一部でパクリだ/パクッってない・・・でもめたよね、と卑近な例で説明済み)
A〜Jの短歌は、この2〜3時間の授業の中で取り扱ってきた、日本人なら誰でも知ってるだろ?レベルの、超がつく有名なものばっかですよ。啄木・与謝野晶子・牧水・茂吉・・・今時の幼稚園生(五歳児)だったら『にほんごであそぼ』をテレビで見ているから、彼らでも知っているようなものばかりです。
是非覚えてほしいですよね。


寺山修二が、牧水の「白鳥はかなしからずや・・・・」を本歌取りして「わがカヌーかなしからずや・・・・」というのを作っています。
こんなんみりゃ判るだろ、程度の質問でしたが、質問された生徒は、
「えーっ、そんなの判りません」
と言うのです。
「時間をあげるから、ゆっくりみてごらん」
といっても
「わかりません」
だって。


(敢えて言わせていただきますが)パッパラの生徒を見ていると、眼球の動き方が、めちゃくちゃ。
国語の教科書は縦書きなのに、ほとんど速読状態の視線の動かし方をしますから、こちらでみていても
「この子は、教科書すら目を通していないんだな〜」
というのが手に取るように判ります。

そういう生徒は
「私、わからないんだもんね〜」
という思い込みがあるんだろうなあ。
「この際だから、一回、AからJまで音読してごらん」
というと、またもや
「えーっ」
「とにかく読んでみて」
というと蚊の鳴くような声で音読しました。
「あっ、わかった」
といってくれましたが、随分時間がかかったのは間違いないっす。