何者、読みました

話題の受賞作品は、例年、図書館に入ってから半年ほど経過して、そろそろ話題性が薄れたころに読むという感じでした。
ところが今年は、義母が買って読んだのを借りてきたので、思いの外早い時期に話題作にめぐり合えました。


私のようにIT器機にめっぽう弱い人種だと、本の中で出てくる若者たちが自由自在に操る様子や、その仕組みに、小さな疑問符がつくところも幾つかありました。
が、ストーリーの展開は速いし、登場人物は個性派揃いだし、なにより「今時の若者」とはいいながら、古い人にも新しい人にも普通に共通な感情が、けっこう意地悪く描かれていて面白かったです。
ネタバレしない程度に話の筋を言いますと、就職活動をする大学生の男女の日常が描かれています。それぞれ訳あって、大学五年生という設定になっています。
しばしばニュースで、100社受けても内定が出ないような超厳しい就職活動のありさまを漏れ聞くことがありますが、この中の登場人物たちも多かれ少なかれそんな厳しい環境に身を置いていると思ってください。
で、彼らはお互いに情報交換をし、協力しあい、仲良く就活に立ち向かっているように見えるのですが・・・・
ラストまで読むと「何者」が何だったのか分かります。
ちょっとミステリーでも読んでいるようなスリルが味わえました。


お薦めの一冊です。